3回目 04/27(金) 04/28(土) 高校情報A,B,Cならび専門教科「情報」の概論

学習指導要領と授業の関係


1.これからの教師にとっての学習指導要領の位置づけ
・教育課程の基準の定義であり、授業の方法やしかたについて決めたものではない。
・指導要領は全員に共通して教えるミニマム(最低線)であり、それ以上は教師が用意する。

2.授業観、教育観の変貌

学習の方法 「教える」学習観 :教授 「学ぶ」学習観:学習
教師の役割 知識の保有者
知識の伝達人
学びの環境をつくるコーディネータ
生徒の位置付け 知識の受け皿 主体的に行動して学ぶ主体
知識の内容 学問的な体系の知識のリスト 社会的な共同体に存在する知識
知識のありか 教師の頭の中 社会的な共同体のなか、
評価 リストの中での到達度 学ぶ活動自体、学びの結果習得したもの

例え:「事件は会議室でおきているんじゃない、現場で起きているだ」
   => 「教育は教室でおこなわれるのではない、社会や共同体でおこなわれているだ」
おまけ:情報科教育法も教育であると考えるのならば
 情報科教育法は教室の中で学ぶのではない、インターネット、セミナー、勉強会、学校の情報化の支援活動、社会の各種情報、実際の学校で学ぶのだ。

3.教育目標の二重化

・「教える」学習観であろうと「学ぶ」学習観であろうと、教師にとって教えるべき「学習目標」は存在する。
・「教える」学習観の場合は、教師と生徒の学習目標は同じでもよかった?
  例:数学の授業では、「整数の掛け算ができる」をする。
・「学ぶ」学習観の場合は、教師と生徒の目標がかならずしも一致しないことがある。
  例:教師の生徒に対する学習目標は「整数の掛け算ができる」
    その時の生徒の目標は「お店で買い物ができる」

4. 「情報」の教師に求められる授業設計(他の教科もいっしょであるが)
・「学習指導要領」を教師の生徒に対する学習目標をもとに、それを展開して、生徒にたいして「学び」の環境としての目標を設定し、その環境の構築と、教師の学習目標を達成するための支援を行う。