後期5回目 10/26(金) 5回目10/27(土) 「情報」の授業における法的な問題

情報倫理の領域・教育目標


「高等教育における情報倫理教育のカリキュラムと教材の開発」(田中規久雄、2000年)

学習領域 項目内容例 初等・中等教育における基本的学習目標
[1]情報 情報の特質・信頼性や情報システムの現状・脆弱性に関わる領域。 インターネットが社会に及ぼす影響を『光』と『影』の両面で捉え、理解する。(初等・中等教育レベルにおいては、この領域は「インターネットの光と影」という点のみを抽出している。)
[2]個人情報 ・プライバシー住所・氏名から趣味・嗜好など、さまざまな個人情報の取得・流出や、プライバシーの侵害といった領域。 個人情報やプライバシーの意義を理解し、その適切な取扱いについて考える。
[3]知的所有権 不正コピーや無断利用といった、著作権、工業所有権等の侵害に関わる領域。 著作物の文化的意義を理解し、著作権を尊重する態度を身につける。(初等・中等教育レベルにおいては、この領域は当面「著作権」という点のみを抽出している。)
[4]情報文化 情報入手、情報公開、文化情報(芸術、文学、学術等)、遠隔医療、携帯端末利用といった、健康で文化的な生活・福祉や政治参加に関わる領域。 日常生活の中で、インターネットがどのように利用できるかを理解する。
[5]経済活動 悪徳商法や売買トラブル、電子商取引、インターネット・ショッピング、インターネット・バンキング、電子マネー等に関わる領域。 インターネットがビジネスに及ぼす影響を理解する。
[6]教育・学習 教育形態、情報リテラシー、有害情報等、学校や教育・学習に関わる領域。 学校や社会でインターネットを利用してどのような教育が受けられるかを理解する。
[7]コミュニケーション いわゆるネチケットやマナーを含む、電子メール、メーリングリスト、ホームページによる情報の授受に関わる領域。 インターネットを利用した情報の発信と受信を理解し、モラルやマナーの必要性について考える。
[8]犯罪 不正アクセス、なりすまし、情報の破壊・改ざん、ネットストーカ、嫌がらせ、名誉毀損、違法物・わいせつ図画販売、マルチ商法、詐欺、賭博等、犯罪とされうる領域。 コンピュータ犯罪について知り、セキュリティの重要性を理解する。
[9]セキュリティ パスワード、ウィルス、暗号、電子透かし、電子署名、電子認証、フィルタリングといった技術的セキュリティに関わる領域8。 (初等・中等教育レベルでは、独立カテゴリーとしてたてていない。[8]の犯罪やその他関連するところで学習者に理解できる範囲で取り扱う