情報科教育法


授業の目的:
高等学校普通教科および専門教科「情報」の教育目標、内容、指導方法について、普通教科「情報」ならびに専門教育に関する科目「情報」のバランスを取りながら、情報教育の体系的・系統的カリキュラムの中に位置づけて理解するとともに、実際に授業を行う上で必要な教材研究や授業設計・実施・評価・改善能力を理解・修得することを目的とする。

授業方法:
 情報科教育法では、その科目の性格上、情報科の内容や指導方法についての解説のみならず、逐次、コンピュータやインターネットに関する実習を織り交ぜて、授業を進める。また、生徒の実際にコンピュータを使用してもらい授業を行うことが多いので、単元の指導計画の作成や授業の指導計画の作成を受講者に行ってもらう予定である。  

前期: >>>>
1 情報教育の体系(小・中・高)の連携  
2 高校情報A,B,Cならび専門教科「情報」の概論  
3 情報化の進展と社会への影響  
4 情報社会に参画する態度  
5 情報の発信と個人の責任  
6 情報通信ネットワークとコミュニケーション  
7 コンピュータの仕組みと働き  
8 情報のテジタル化  
9 問題のモデル化とコンピュータを利用した解決  
10 問題解決とコンピュータの活用      

後期
1 「情報」の授業のイメージ作り  
2 情報科のカリキュラムの編成  
3 情報A,B,Cの指導方法1  
4 情報A,B,Cの指導方法2  
5 専門教科「情報」の指導方法  
6 「情報」の授業における実習の在り方  
7 「情報」の授業における法的な問題:プライバシー保護等  
8 普通教科「情報」と他教科の関連:情報科と総合的な学習の時間  
9 「情報」における評価の在り方:知識と実用のバランス  
10 情報化技術の進展と「情報」教育の対応
前期と後期の学習内容の違い
・教師にとって、その担当科目の専門家という側面と、その担当科目を教える専門家という側面の2つの能力がされる。
 特に、「情報」は新設であり、また学際的にも、指導要領の定義においても幅広い分野であり、また、近年の学習観の変化等により教え方も、この授業をとる学生にとって経験のないものである。
・前期は主として、担当科目の専門家という側面から「情報」の指導要領を理解するとともに、それから要求される知識、技能がどのようなものであるかを学習していく。
・後期は主として、担当科目を教える専門家という側面から、新しい教科である「情報」の教育をどのように実現していくかを学習していく。


評価方法: 
  出席点   40%
  レポート  20%
  課題   20%   
  授業Webへの参加 20%  

 この講義の参加者はインターネットへのアクセス、電子メイルなどの活用について積極的に取り組み、少なくとも授業期間中、早々にこれらができるようになることを前提とする。
(レポート・課題のメイルでの提出、Web上での議論への参加など)
 また、情報処理資格等保有者に対しては別途評価加点を行う。

教科書 (「情報」の教員になろうと思う学生は必須)
  高等学校学習指導要領解説 情報編 文部省 開隆堂 2000

参考図書等
・ 文部省(1999) 高等学校学習指導要領
・ 情報化の進展に対応した初等中等教育における情報教育の推進等に関する調査研究協力者会議(1998) 体系的な情報教育の実施に向けて.文部省
・ 坂元昂監修・牟田博光編著(1993) 教育システム工学講座1巻・教育システムの改善.