1.マルチメディア・データ会議(TV会議)の基礎
(1)マルチメディア・データ会議の通信方式の種類

 テレビ会議というと、なんか未来の話のような気がしますが、最近の技術進歩により手軽に利用できる時代になりました。また、最近のパソコンは高性能になり、今皆さんが使っているような10万円程度のパソコンでも1万円程度のカメラを追加するだけで簡単に海外と映像通信ができるようになっています。ここではまずテレビ会議はどのうよなものか説明します。尚、現在では単に映像や音声だけでなくパソコンを使っていろいろな作業もいっしょに出来るようになってきたため、テレビ会議という言葉のかわりにマルチメディア・データ会議という言葉を使うことにします。
 マルチメディア・データ会議にはいろいろな種類の機械がありますが、皆さんが手軽に使用できるものとして大きく次の二種類があります。また二種類は別の機械と考えた方が混乱がないかもしれません。

ISDNで使用する機械 普通の電話と同じように電話番号で相手を指定して使います。
インターネット・LANで使用する機械 インターネット上のパソコン等で通信します。

 図1.1.1にはISDNで使用する機械を示しました。これらの機械は従来の電話に音声だけでなく、映像の通信機能が加わったと考えればいいでしょう。普通の電話の場合はアナログ交換網というのを使いますが、テレビ会議の場合はISDN交換網を使用します。すでにパソコンでインターネットにアクセスするためにISDNを家に引いている人は5−8万円程度のテレビ電話を購入して接続すれば、すぐに利用することができます。

 図1.1.2には実際に使う時の様子を示しました。ほんとに電話に映像通信がついたと考えればよく、相手の電話番号をかければつながり顔を見ながら話すことができます。テレビ会議だからといって、電話料金が高いわけではありません。料金は普通の電話と同じです。また、国際電話を使うことで海外と通信することもできます。

 図1.1.3にはインターネットやLANで使う機械を示しました。多くの人がインターネットやLANの上でメールのやりとりをしていると思いますが、インターネットにつながっているパソコン同士が直接音声や映像の通信を行えると考えてください。音声だけであれば、皆さんの使っているパソコンでもすぐに使用できます。またカメラを追加することで映像通信もできます。海外のホームページを見る場合にも、普通はプロバイダーまでの料金で見れると同様に、海外と通信する場合でもプロバイダーまでの料金で通信することができます。

 図1.1.4には接続の様子を示しました。インターネットやLANの上のパソコンは電話番号と同様にIPアドレスという番号で認識されています。このため相手のIPアドレスを指定すると相手に接続することができます。この通信ではTCP/IPと呼ばれる方式をつかうためIPベースのテレビ電話とも呼ばれています。