この教材のタイトルでもあるTCP/IPとインターネットはどのような関係にあるかみていきます。
TCP/IP(ティー・シー・ピー、アイ・ピー:Tranmission
Contorol Protocol/ Internet Protocol:意味は伝送を制御するプロトコル/ネットワーク間のプロトコル)はコンピュータが通信するための約束ごとや手順のことのことです。これらの約束ごとや手順はプロトコルとよばれ、コンピュータの世界にもいろいろなプロトコルがあり、TCP/IPはその一つです。
ここで通信をする場合にプロトコルはどのような役割をしているか考えてみます。図2-1.aには皆さんが使っている電話での通信の例が示してあります。電話にも電話網のインタフェースというプロトコル(約束ごと)がありこれによって通話が可能になっています。例えば会社によって独自の通信方法だったら、同じ会社の電話を持つ人にしか電話がかけられず不便です。そこで、どこ会社もつながるように共通の方法=プロトコルを決めています。
電話では同じ線でファクスも送ることができます。これもG3というプロトコルがあり、各社はこの約束にそったファクス装置を作っているので、どの会社の機械でもファクスの送受信が可能になっています。電話の場合は電話網インターフェースのプロトコルを使いで直接音声のやりとりをしていますが、ファクスの場合はこの電話網インターフェースの上、さらにG3というプロトコルを組み合わせて使っていることになります。多くの人が間違ってFAXに電話して「ピーヒョロロー」等の音を聞いたことがあると思います。このように人間同士は電話網のインターフェースを使って通信して、FAXはG3という共通のプロトコルを使って通信しています。
また、複数のプロトコルを階層的に組み合わせて使うことが多いようです。このように使うメリットとしては、例えば、より高機能のファクスのプロトコルを作るとき、このG3の部分だけを決めればいいことになります(実際G4というプロトコルがあります)。
図2.2にはインターネットでのプロトコルを示しました。前述したようにインターネットでは世界中の多くのコンピュータやパソコンがつながっているため、それらの機械が通信するためには共通のプロトコルが必要です。そこで多くのプロトコルがあるなかでTCP/IPというプロトコルが使われるようになりました。ファクスの例と対比すると電話網インターフェースのように実際に通信する部分として図のTCP,IP、ネットワークインターフェースが対応します。そしてファクス自体の機能を決めているG3の部分に対応して、次に説明するWWWやメール等の取り決めがあります。
インターネットのことを知ったり利用したりするためには、このTCP/IPを勉強することになります。