インターネットサーバー入門: 自前のDNSとホスト名

 DNSのしくみがわかったところで、自前でDNSサーバを持つ場合にどのようなことが必要か考えてみます。

 図2.4-1には、もしあなたの学校で独自のWebサーバを持った時に、外部の人がそのサーバのホームページをアクセスする場合のDNSの動作をしめました。これから、逆にあなたがどのようなことをしなければいけないか考えてみます。
 まず、あなたの学校を示すドメイン名を取得する必要があります。ここでは仮にschool01.ed.jpというドメイン名が取得できたとします。次にこのドメイン内を管理して、他のDNSサーバからの問い合わせに答える学校独自のDNSサーバを用意する必要があります。そして、学校のWebサーバの名前をwww.school01.ed.jpにして、そのIPアドレスが192.168.0.10だったら、その情報をDNSサーバに登録します。最後に、.jpドメインを管理しているサーバにあなたの学校のDNSサーバの情報、すなわち、ここではschool01.ed.jpドメインを管理しているDNSサーバのIPアドレスが192.168.0.1であることを登録してもらいます(この登録方法は次のページで説明します)。
 このようにすると、外部の人があなたの学校のホームページを見る場合、まず.jpドメインを管理しているDNSサーバにあなたの学校を管理しているDNSサーバのIPアドレスを問い合わせます。次のあなたの学校のDNSサーバにWebサーバのIPアドレスを問い合わせします。これで無事ホームページがアクセスできることになります。

 図2.4-2にあなたの学校のDNSにどのような情報を設定するか示しました。実はschool01.ed.jpドメイン内のサーバ等の名前は自由に決めて設定することができます。図のように学校に割り付けられたIPアドレスの数(実際はなかなか希望の数はもらえませんが)に余裕があれば、複数のwebサーバを持つことも可能です。ここではwww.school01.ed.jpは192.168.0.10というIPアドレスを割り付け、www2.school.ed.jpには192.168.1.11というIPアドレスを割り付けています。外部からは、それぞれの名前で、それぞれのWebサーバにアクセスすることができます。
 これらの名前の一番左側のwww、www2、smtp等をホスト名と呼んでいて、これはそのドメイン内のサーバにつけられた個別の名前といえます。そして、DNSサーバにはホスト名とそのIPアドレスを設定することになります。
 ホスト名は自由につけることができ、Webサーバの多くはwwwというホスト名にしていますが、ここのようにwww2やあるいはabc、xyzなどでもかまいません。ただし、使う人からみると分かり難い名前になりすまが。
 ここにも、前のページで説明したDNSにより名前が階層的に管理されている利点があります。図2.4-1に戻りますが、.jpドメインを管理しているDNSサーバは、あなたの学校のDNSサーバのIPアドレスを知っているだけで、学校ドメインの中がどうなっているか知りません。また、外部からアクセスする場合も、都度あなたの学校のDNSサーバに問い合わせするので、あなたの学校のドメイン内でホスト名の変更を行っても、その都度正しい情報を入手することができます。