インターネットサーバー入門: ドメイン名の取り方と登録方法

 前のページの説明で残っていました、ドメイン名の取り方や、.jpドメインを管理しているDNSサーバへの登録方法について説明します。
 ドメイン名も全世界で重複が起きないように名前をつける必要があります。日本国内、これもIPアドレスの申請で説明した、JPNICで管理しています。単純にあなたの希望するドメイン名の使用を希望し、まだ使われていことがJPNICより確認されれば、そのドメイン名が日本国内で使用されることが登録されます。(先願主義といって、言うなれば早いもの勝ちです)。
 まず、世界中のドメイン名は次のような構造になっています。
   あなたの希望する名前.ドメインの属性.トップレベルのドメイン
トップレベルのドメインについては表2.5-1のようにあらかじめ決められています。

表 2.5-1 トップレベルのドメイン例

ドメイン ドメインの区分
国別 .jp 日本
.au オーストラリア
.us アメリカ
一般 .com ビジネス又は企業
.org 非営利活動を行う組織

 また、日本国内のドメイン名はほとんど国別のドメインを使用しているため、次のような構造になっています。
   あなたの希望する名前.ドメインの属性.jp
 ドメインの属性については表2.5-2のようにあらかじめ決められています。

表 2.5-2 日本国内の代表的なドメインの属性

ドメインの属性 ドメインの使用団体
 AC 大学系教育機関
 CO 一般企業向け
 GO 政府機関向け
 NE ネットワークサービス向け
 ED 小中高向け

 では、いよいよあなたの学校のドメイン名を取得することをみます。たいてい表2.5のようにEDドメインに属するドメイン名になります。あなたの学校のドメイン名を考えてもいいんですが、全国の学校がドメイン名を取得することを予想しJPNICの方で、あらかじめ4万2千校分のドメイン名を想定して確保しています。(例えば全国に「中央小学校」という名前の学校が数校あります。これらをきちんと区別できるように名前が考えられているみたいです)。この想定したドメイン名を使うのであれば、JPNICの方にこのドメイン名を使用することを登録します。詳しくは前述したJPNICのホームページを見てください。
 注意することは、これですぐにインターネットでそのドメイン名がつかえるわけではありません。まず、そのドメインを管理するDNSを用意し、そのDNSを.jpに管理するDNSに登録します。この登録も実はJPNICで管理しています。
 ここまで、説明してきたインターネットを使うことについてのJPNICの主な仕事をまとめると
a.日本国内で使用するIPアドレスの総合的な管理(具体的な割付はJPNIC会員のプロバイダーが実施)。
b.日本国内で使用するドメイン名を管理する。
c.日本国内のDNSサーバを登録の登録を管理する。
 になります。これらの申請等をすべてして、ようやくあなたの学校のサーバがインターネットで使えるようになります。但し、これらの申請をすべて、学校現場でやるのではなく、実際にはプロバイダー等の業者が行います。

 これまでドメイン名とIPアドレスの対応づけの話をしてきましたが、この二つは単にDNSの世界で関連づけられたものであり、まったく別々に管理されているものです。例で使ったwww.school.ne.jpと192.168.0.10はそれぞれ.で区切られていますが、特にwww.と192.が対応しているわけでもありません。また、あなたが10個の連続したIPアドレスを持っていたとして、その5個ずつを別の2つのドメイン名に分けて対応づけて使うこともできるし、逆に一つのドメインの中にあなたが取得したIPアドレスと、友達が取得したIPアドレスを対応づけることもできます。
 いうなればドメイン名とIPアドレスの対応がDNSサーバで定義されていればいいので、その極端な例を図2.5-1に示しました。トンガという国では、その国のドメイン名を外国の人に一定の料金で提供しています。あなたがもしこのトンガドメインを取得した場合、トンガの国のドメイン名を管理するDNSには、あなたのDNSサーバの情報とIPアドレス(日本国内に割り付けたものですが)を登録します。するとあなたのトンガ・ドメインへアクセスする人はまず、トンガのDNSサーバであなたのDNSサーバの情報を取得し、次に日本国内にあるあなたのDNSにアクセスします。(トンガのドメイン名を日本で使うことに違和感があるかもしれませんが、基本的に国別のトップレベルは国籍や所在地に関係無く、その国に役立つ場合にドメイン名をもらえるぐらいにもらえると考えた方がいいかもしれません)
 日本国内でも.comドメイン名を使用している企業もありますが、これは表 2.5-1に示した国に関係無い一般のトップレベルのドメインを使っていることになります。