インターネットサーバー入門: メーラーとメールサーバー

 DNSでようやくインターネットの世界でサーバの名前が使えるようになりました。これからインターネットの有効な使い方である電子メールのしくみについてみていきましょう。

 図2.6-1にインターネットで電子メールを使う状態を示しました。通常パソコンではメーラーという種類のプログラム(OutLook、AL-mail、ユードラ等)を使って電子メールを作成したり読んだりします。実際のメールの送受信は次のようになります。
1)Aさんがメーラーでメールの文書を作成します。
2)Aさんは、そのBさんあてのメールを、Aさんの使っているメールサーバへ送ります。
3)Aさん側のメールサーバはBさんの使うメールサーバを探し、そこにメールを送ります。
4)BさんはBさんの使っているメールサーバから、Aさんのメールをメーラーを使って受信します。

 いままで、DNSの話をしてきたので電子メールとDNSの関係を図2.6-2に示します。この例のBsan@school01.ed.jpのように電子メールのメールアドレスは次のような形式です。
 その人を特定する名前@ドメイン名
 ではこのメールアドレスをもとにメールサーバはどのようにして、相手のメールサーバを見つけるのでしょうか。まず図で示したようにDNSサーバーは、そのドメインのメールサーバの名前も設定しています。そこで、送り側のメールサーバはドメイン名をもとに、そのドメインを管理しているDNSサーバに対して、そのドメインのメールサーバの名前を問い合わせます。メールサーバの名前が分かれば、前で説明したように名前からそのIPアドレスを取り出せます。最後に送信側のメールサーバは、受信側のメールサーバにIPアドレスをもとにメールを送信します。

 次に受信側のメールサーバでは、どのようなことをしているか図2.6-3に示しました。メールサーバには、あらかじめどのようなメールアドレスがあるか登録してあります。そしてメールを受信した場合には、それぞれのメールアドレス別にメールをサーバ内部に記録しておきます。そして各メールアドレスの持ち主から要求があった場合に、それぞれのパソコンに記録してあったメールを送ります。
 相手のサーバは、送り先のメールサーバにはどのメールアドレスが登録されているか知りません。とりあえず、メールアドレスのドメイン名だけ見て、そのドメインのメールサーバに送りつけます。したがって登録されていないメールアドレスを受けた場合、多くのメールサーバで、それを送ったメールサーバに対して「そんなメールアドレスの人は、私のドメインにはいません」というような返事を返します。