インターネットサーバー入門: メールサーバで転送するしくみ

  ここでは、メールサーバのプロトコルについて、さらに詳しくみていきます。

 図2.7-1には電子メールの送受信の中でどのようなことが行われているか示しました。まず、メールの転送にはSMTP(エス・エム・ティー・ピー:Simple Mail Transfer Protocol:意味としては基本的なメールの転送のプロトコル)というプロトコルが使われます。SMTPはメーラーとメールサーバ、メールサーバとメールサーバの間の転送に使われます。SMTPの機能は単純で、要求があったメールを指定したメールアドレスに送るというものです、そして、その要求が自分のメールサーバ宛てであったら、そのメールを他のメールサーバに送るのではなく、記録するというものです。
 この受け取ったメールをメーラーに渡す場合、POP3(ポップ・スリー:Post Office Protocol3)というプロトコルを使用します。このPOP3でメーラーがメールを受信するとき、正しい人が受信するか確認するためIDとパスワードを指定します。
 実はこのPOP3という機能はメールサーバの付加的な機能で、インターネットが使われ始めた時は、図に示した記録されたメールの内容をファイルとして直接見ていました。また最近ではPOP3に変わるIMAP4(アイマップフォー:Internet Message Access Protocol 4)という新しいプロトコルも登場しています。

 ここでPOP3のIDとパスワードがでてきたので、ダイアルアップの場合のID、パスワードとの関係を考えてみます。この両者はまったく無関係で、ダイアルアップのときのものは電話回線でつなくことを確認するためのものです。また、POP3のものは、メールの受信について確認するためのものです。多くのプロバイダーでは、このIDとパスワードを同じものを設定しているため、混同しやすいですが、本来、ダイアルアップとPOP3のIDとパスワードはまったく違ったものでもかまいません(もともと関係ないものですから)。
 また、家族でパソコンを使う場合など、個人ごとにメールアドレスがあったほうが便利なことが多いです。現在多くのプロバイダーでは、メールアドレスの追加サービスを行っています。例えば、ダイアルアップで接続するID,パスワードは一つですが、メールサーバにアクセスするためのID,パスワードは3つ契約する、すなわち3つのメールアドレスを使うということもできます。