ネットワーク構成入門: LANでのデータの伝わり方とLAN同士の接続

 少し回り道なるかもしれませんが、ネットワーク上でどのようなデータが伝わるか考えてみます。

 図3.3-1は192.168.0.10というパソコンから192.168.0.11というパソコンにデータを送ったところです。直接送れればいいんですが、あくまでLAN上は電気的な信号が同じように流れるので、実はLAN上のすべてのパソコンにそのデータが届いています。実際192.168.0.12のパソコンでは自分宛てのデータでないので無視しているだけです。

 図3.3-2では複数のLANがつながったinternetの状態を示しました。この場合AさんがBさんにデータを送る場合でも、他のLANにつながっているすべてのパソコンにも同じデータが届くことになります。本当のインターネットの世界では、数十万台のパソコンが物理的につながっているため、もし、このようにある人のデータがすべての人に届くようだと、インターネットはすぐにパンクしてしまいます。

 図3.3-2のように複数のLANに無駄なデータが流れないように現実場面ではINP(アイ・エヌ・ピー:Internet Node Processor:意味としてはインターネットのノードをつなぐ装置)がネットワーク間にあります。ちょうど江戸時代の関所のように、他のネットワークに関連しているものだけ、他のネットワークに流す機能があります。このような装置を使うとで、無駄なデータが多くのネットワークに流れるのを防ぐとができます。

 普通の会話ですINPという言葉はあまり使わず、ゲートウェア(意味としては門口、出入り口)という言葉を使います。コンピュータやネットワークの世界では、いろいろな団体が用語を定義したり、また製品名や慣習で使っている名称など入り乱れています。このゲートウェアという言葉も、いろいろな場面でいいろな意味を持って使われています。また教材では、実際の場面で多く使われる装置名のルータ(router)という名前を使っていきます。図3.3.4には実際のルータを使った場合のデータの送信の様子を示しました。ルータはその名前のようにルート(道順)を定めるという意味があります。図のAさんからFさにデータを送る場合、各ルータがどのようにデータを送ればいいか設定されていて、無駄の無いようにデータが送信されます。