4回目 05/11(金) 05/12(土) 「情報」の教育の位置づけ・目的の再確認

「総合的な学習の時間」と「情報」の授業の関係


1.「情報」の教科で育成する人

・従来の教科で意識していなかったこと
情報は、一般の学生、社会人、家庭人としてよりより生活を営んだり仕事や学習をするための、能力を身につけることを意識する。

参考:教科「情報」をとりまくいろいろな意見
現在、「情報」の教科については、検討がはじまったばかりであり、いろいろな立場の人がいる。どれが良いと思うかは、個人で考えること。

例1.情報活用力重視.vs.情報活用・情報技術の両者重視
高校「情報」が必修であることをうけ、「生きる」ちからを重視し、一般の学生、社会人、家庭人として学生を育てることを重視し、そのためこれらの人の重要な情報活用力を重視する見方がある。これに対して、将来の情報産業の人材の育成を情報B,Cでも意識する見方がありる。学習指導要領は前者を重視しているように感じられる。この意味で上図は学習指導要領の課題解釈とも言える。

例2.コミュニケーションや道具としてのパソコン.vs.教材、教育支援のためのパソコン
インターネット等の普及により、交流や共同学習のコミュニケーションツールとしてパソコンやインターネットを位置づける見方がある。これに対して、コミュニケーションや道具だけでなく、従来の教材を教科するものとしてパソコンを位置づける見方がある。

例3.しくみには深く入らない.vs.しくみの理解が学習を促進する
コンピュータのしくみやプログラミングに深く入らないで、むしろ活用や利用のしかたを重視する見方がある。これに対してプログラミング等、基本的なしくみを知ることによりより情報の学習が進むという見方かある。学習指導要領は主として前者に近い立場で作成されているようである。

例4.新しい学習観の重視.vs.従来の学習観+新たらしい学習観
学習指導要領の改訂にあたり、「基礎基本の確実な定着」があり、このための従来の教える学習観を残す考え方がある。いっぽう、すべて新しい学習観で「基礎基本」の定着を目指す考え方もある。

例5.生徒・児童の自発的な活動にまかせる.vs.教師が明確な目標を持ち、見守る
生徒・児童の自発的な活動にまかせ、その中で自然に学習できるという観かたがある一方、教師が明確な目的・スキルを意識して、生徒・児童にたいしてそれらの環境を用意、もしくは見守るという見かたがある。


2.「総合的な学習の時間」と高校「情報」の違い
例: 中学の「総合的な学習の時間」の学ぶ内容
  ( 免田町立 免田中学校でのスキル概念図の抜粋)

ヒューマンスキル 問題解決スキル プレゼンテーションスキル
・リーダーシップとパートナーシップの育成
・対人関係能力の育成
・問題解決技法の取得
・ディベートのルール、方法
・プレゼンテーションの方法
・情報機器の操作と活用法
・レポートの書き方等

問題:高校「情報」(特に情報活用能力や社会へ参画する態度)とこの中学の学ぶ内容は何が違うか?


3.中学技術家庭「情報」と高校「情報」の違い
例:
中学技術・家庭指導要領「情報とコンピュータ」
(5)コンピュータを利用したマルチメディアの活用について、次の事項を指導する
イ. ソフトウェアを選択して、表現や発信ができること
 マルチメディアを活用する学習として、マルチメディア用ソフトウェアやアニメーションソフトウェア等を目的に応じて選択し、コンピュータ上で実際に制作を体験させる。...........
  例えば、表現や発信の学習活動では、Webページやプレゼンテーション資料、劇画等を制作することが考えられる。この場合、生徒にとって身近な情報を素材にして問題解決的な学習活動を展開することが大切である。

高校「情報A」
(3)情報の総合的な処理とコンピュータの活用
 ア コンピュータによる情報の統合 ・ソフトウェアの組み合わせ
・情報機器を領して収集活動を実施 ・文字、数値、音声、画像等を取り込んだり表示したりする。
・文書や図形の作成 ・音の取り込み。 ・動画、静止画の取り込み。

問題:上記の高校「情報」と中学「情報とコンピュータ」の学ぶ内容は何が違うか?
違いがないとしたら中学と高校で同じ内容を教えるのか?