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TV会議システム・マルチメディア通信のお勉強

TV会議システム・マルチメディア通信を工夫して使ってみたい人に


Q04-xx


高品質のTV会議はどのようにして実現できますか。

  普通のISDNを使ったTV会議では人と話したりするのには十分です。但し、音楽や演劇など流す場合、もっといい音質や画像がほしくなります。ここでは高品質のTV会議を行う方法について説明します。

1.複数のISDNを同時に使用して映像や音声を送る

 普通、H.320会議端末でISDNでテレビ会議をする場合はBRI(2B)=128Kpbsで通信を行っているいます。装置によっては複数のISDNを束ねて使って高品質の映像通信が行えるものがあります。上図のようにこれらの装置の多くはISDNを3本使って通信できます。このときの通信を6B(2B*3)又は384Kpbsのと呼んでいます。
 装置自体に384Kpbsに対応した能力が必要ですが、ISDNを束ねて使うためにIMUX(Inverse Multiplexer common)という装置を使います。IMUXは会議端末にオプション等で内蔵する場合と、外付けにする場合があります。もちろん、ISDNも3回線分契約する必要があります(もしくは、PRIの内6チャンネルを使用します)。
 ISDNを3回線つかうということは意外かもしれませんが、ISDNの基本は1Bで実際普通の2Bの状態でも実は装置は2回電話をかけて相手につないでいます。タイミング的にめったにおきませんが、TV会議で相手に電話がかけた場合、1B目が繋がった時、相手に別の電話がかかってくるとその残りの1Bにつながって使ってしまうため、結局TV会議の方は残りの1Bが繋がらずに2Bの接続ができなくなってしまいます。

2.LAN対応の装置で広い帯域を使用して映像や音声を送る
 LAN等のIPベースのネットワークでは利用者の設備によりたくさんのデータが遅れます。たとえば、LAN対応のH.320端末やH.323端末では性能により128Kbps以上のデータで映像や音声が送れるものがあります。特にパソコンベースのものはCPUの性能が高くなり256Kbps以上で通信することができます。また、LAN対応のH.320端末の中には1.5Mbpsで映像やステレオ音声を送れるものもあります。

3.MPEG対応のTV会議装置で映像や音声を送る
 ITU−Tの韓国の中にもより高品質の映像通信のためにMPEGに対応したH.321の使用があります。これに準拠した装置を使用することによりきれいな画像や音楽の転送が可能になります。放送分野、医療分野等で使用が始まり各メーカーとも積極的に開発している分野です。
 なお、MPEGはISOの規格ですので、ITU−Tの映像との対応を次に示します。

ITU−T     ISO     
H.261 MPEG−1
H.262 MPEG−2
H.263 MPEG−4
-Video
H.263+
H.263++
H.26L
MPEG−7