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TV会議システム・マルチメディア通信のお勉強

TV会議システム・マルチメディア通信をとにかく使ってみたい人に


Q02-xx


どうして普通の電話で映像が送れないのですか。

 

 映像の通信でよくある質問に、「たとえば家にあるビデオデッキ又はビデオカメラとテレビは線で結んだだけでちゃんと映像や音が伝わっている。電話だって電線で繋がっているので、ビデオカメラを電話線に繋いで、相手がテレビを繋げば映像が映るんじゃないか」というものがあります。このような接続はまずNTTで許可していせんか、かりに繋げても多分相手には映像が映らないでしょう。
 この疑問に答えるとともに、この分野の基本的な考え方である映像や音声のデジタル化についても説明します。


1.糸電話で近くで話ができたからといって、隣町までは話ができない
 みなさんも、小学校の理科で糸電話を実験をしたことがあると思います。その時2−3mでは良く声が聞こえたと思いますが、例えば100mも間があればほとんど声が聞こえなくなります。これは糸を伝わる音の振動が長い距離では弱くなってしまうからです。これと同じように電話線の中を流れる電気も長い間に弱くなり相手に伝わらなくなります。一昔前の電話では、近くからかかってきた電話はよく聞こえるが、遠くの土地からかかってきた電話はよく聞こえないというようなことがありました。これと同じように、たとえ相手に映像が伝わってもボケた画面になるでしょう。
 太い電線を使えば相手に電気が弱くならずに使えますが、このためには電話線をささえるたに電柱を太くしたり等の費用が膨大にかかります。(今の電話料金は普通の声を電気的に伝えるには十分な設備を提供しますが、映像を送るのは無理です)

2.はやりのデジタルで映像を送る
 では相手にきちんと映像をおくるにはどうするのでしょうか。それは映像をデジタル化して通信します。デジタル化とは普通テレビ等の画像はアナログという電気的な大小で表していますが、それを記号化することです。(アナログとデジタルの違いは難しい話ですが、例えばアナログの考えで歌を電話で歌うとと相手にはそのまま聞こえますが、記号化するとはいったん歌のメロディを機械が楽譜に直してその情報を相手に送り、相手側ではその楽譜をもとに音を出すようなことです)
 例えば「こいずみきょうこ(小泉今日子)」と声で送ると相手には「いずみきょうこ」と等と聞き間違えることがあります。そこであらかじめ「こいずみきょうこ」を”KyonKyon”という文字置き換え(デジタル化)で記号化して送るときめておけば、受け取った方でも”KyonKyon”という記号がきたら「こいずみきょうこ」と正しく伝わります。またデジタル化するメリットは送るデータを圧縮することができる点にあります。”KyonKyon”と8文字送る変りに"Kyon2”とした場合”Kyon”が2個続けて送られると決めれば5文字送るだけで意味が通じるようになります。
 実際に映像等の通信では単にデジタル化するだけでなく、どれだけ圧縮できるかが重要な機能になっています。このように圧縮を含めて、もとの映像や音声から記号に変換することを符号化と呼んでいます。

3.CODEC(コーデイック)という機械
 映像通信の世界ではよくCODEC(コーデック)という言葉がでてきますので、その意味を確認しましょう。
 映像などの情報はデジタル化して通信することを説明しましたが、受信側ではこのデジタル情報を再度アナログに変換してスピーカーを鳴らしたり、画面に表示するしくみになっています。送信側からの一連の流れは次のようになります。
  もどの映像・音声−>[デジタル化(符号化: CODE)]−>送信     
            −>受信−>[アナログ化(復号化):DECODE]−>再生した映像・音声
 このデジタル化やアナログ化する装置のことをCODEC(COdeとDECdeの合成した名前)と呼んでいます。使い方としては、TV会議を行う装置全体のことをCODECと呼ぶこともありますし、TVやスピーカーを除いたCODEとDECODEを行う装置自体をCODECと呼んだりしています。
 一般にCODECの大きな機能は次の4つになります。
 ・映像や音声のもとのデータをデジタル化する。
 ・デジタル化されたデータを圧縮する。
 ・このデータを送信/受信する。
 ・受信した圧縮されたデータをもとに戻す。


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