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TV会議システム・マルチメディア通信のお勉強

TV会議システム・マルチメディア通信をとにかく使ってみたい人に


Q07-xx


複数の場所でTV会議をするのはどのようにしますか。

 TV会議を使った場合、ISDNで接続していてもインターネット/LANで接続していても基本的には1対1で通話をしています。ただ特別な装置を使うと複数の場所で同時つないで会議ができます。この装置をにITU−Tの規則ではMCU(MultiPoint Control Unit:多地点制御装置)と呼んでいます。

1.MCUでどんな会議ができるか
 たとえば、福岡、大阪、新潟、北海道の人がTV会議の装置を使って打ち合わせをすることを考えてみましょう。
 MCUは各TV会議の内容を受信し、合成し、送るという中継器の役割をします。このため、福岡、大阪、新潟、北海道の人はまずMCUに対して電話をかけて接続します。通信費用は各場所からMCUの設置してある場所までの距離によって違ってきますので、この場合は全員の真ん中あたりの静岡や東京にMCUがあるのが安上がりです。(沖縄やロンドンにMCUを設置してもかまいませんが、通信費が東京においた場合に比べて高くなりますね)
 では簡単なMCUを使用した会議のようすは、例えば福岡の人が話しを始めると、大阪・新潟・北海道の画面には福岡の人の顔が写り、福岡の人の声が流れてきます。次に大阪の人が話し始めると自動的に大阪の人の顔と声が他の場所に伝わります。これがMCUのもっとも基本的な機能です。このような機能を使うと東京で行っている講演会の内容を各地のTV会議で見るというようなこともできます。

2.MCUの簡単なしくみ

 映像/音声用のMCUの簡単な仕組みを上図に示しました。原理的には中に複数台のCODECが入っていてそれが互いに接続されています。この例の場合、福岡、大阪、新潟、札幌にあるTV会議が東京にあるMCU内のそれぞれのCODECと接続します。たとえば福岡の人の顔や音声を他の場所で同時に見たり/聞いたりすることはMCU内で福岡につながっているCODECが、他の場所につながっているCODECに映像や音声を渡している仕組みになっています。
 MCUの能力として同時にいくつのTV会議をつなげるかということがあります。この例では4カ所同時につなげるので4チャンネルサポートしているといいます。MCU内に持っているCODECの数が多いほどこのサポートできるチャネルが増えますが、MCU自体の価格も高くなります。現在、4チャネルより、最大128チャネル程度のMCUが販売されています。

3.MCU以外に複数の地点で会議をする方法は
 MCUを使用して複数の地点で会議をする方法は、先に説明したITU−Tで世界中の標準として規則が決められています。たとえばH.320であればITU−Tの規則にもとずいて作られたMCUに問題なく接続できます。
 ただ、MCU自体大がかりな装置なので、もっと簡単に多地点の会議ができるよう独自のしくみを作っているところもあります。独自の方法で一番有名なのがCu−See-Meというソフト専用のリフレクターというものがあります。また、他社