全体の目次  ここの目次  前の項目  次項目 

TV会議システム・マルチメディア通信のお勉強

TV会議システム・マルチメディア通信を工夫して使ってみたい人に


Q02-03


音声のG711/G722/G728とはどのようなものですか。

  ここでは音声の仕様について説明していきます。

1.G.7xxの違い
 各違いを以下に示します。この中で音声サイズと品質が重要です。例えば通常のINSを使用して128kbpsで通信を行うと、G711の場合、64kbitの帯域をとるため映像の送る帯域は少なくなり、画質が悪くなります。(電話等は話が解ればいいので、300Hzから3400Hzの約3000Hz=3Kzの音域しか電送していません。人間の耳は15Hzから20000Hzまでの音を聞くことができます。美空ひばりやマライヤキャリーは別ですが、通常の人間の声はこの約3000Hz=3Kzの範囲の音を聞くだけで十分内容を理解できます。)

G.711     G.722     G.728     G.729     G.723.1  
制定年度 1977 1988 1992 1995 1995
方式 PCM SB−ADPCM LD−CELP ACELP ACELP/MPMLP
音声サイズ(kbit) 48/56/64 64 16 8 6.3/6.4
音質 電話並み 高品質電話 電話並み 電話並み 電話並み
対象帯域(kHz)
遅延時間(ms) ほとんどなし ほとんどなし 2.5ms 10ms 30ms
要求CPU能力(MIPS) 0.1 専用ハードウェア 28 20 25

2.遅延時間とCPU能力
 上記の表を見ると同じ電話並みの品質ならばG.711に比べてG.723.1の方が音声サイズも小さくよい方式のように見えます。但し、音声を符号化するのに時間がかかることと、パソコンのCPUで処理する場合、高性能のCPUが必要になります。
 現実的にはCPUの性能が飛躍的に向上しているため、要求CPU能力はあまり問題にならないかもしれません。また映像の符号化の方が符号化に時間がかかるため、音声だけで通話するのでなければ遅延もあまり気にならないかもしれません。むしろ次の表のようなインターネット上の電送時間の遅れの方がきになります。

通信方法 電送遅延(ms)
不自然さがない範囲 100−150
電話 30
H.320 300
衛星電話 350
H.323 400
インターネット 800