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TV会議システム・マルチメディア通信のお勉強

TV会議システム・マルチメディア通信をとにかく使ってみたい人に


Q04-xx


TV会議システム・マルチメディア通信の機械にはどのようなものがありますか。

 ここでは、みなさんが手軽に使える機械はどのようなものがあるか、それで何ができるか説明していきます。
(前述した監視用で使用する装置と、衛生通信で使用する装置は除いてあります)

1.TV会議システム・マルチメディア通信の機械の大きな分類(1998年版太田作成)
 補足:この分野は技術進歩が激しく、分類も固定したものではありません。1999年版の分類を作りました。こちらの方が図入りでわかりやすいと思います。−>1999年版分類

よく使われている分類名 機械の構成 主な使用回線
ルーム型 TV会議専用装置(コンポーネント型) ISDN
LAN
TV会議専用装置(一体型)
ディスクトップ型 パソコン+CODECボード組み込み ISDN
インターネット/LAN
パソコン+キャプチャー機能組み込み
パソコン+オーディオ機能組み込み
?パーソナル型 TV電話 ISDN
電話回線
低価格セットトップボックス
携帯端末+キャプチャー機能 PHS/携帯電話

                      (使用回線についてはQ04-01で説明します)
a.ルーム型

 21インチ以上の比較的大きなテレビを使い、数名が一カ所で会議に参加する時に使用します。CODEC(コーディック)が大きな箱としてあり、それにカメラ、マイク、スピーカー、TV等を付けて使用します(コンポーネント型)。特別にスタジオのようなカメラ設備を整えたTV会議室を作る場合もあります。普通は会議室に置いてあり、必要に応じてTV会議を実施するということが多いようです。
 最近では、CODEC、カメラ、マイク、スピーカー等を一つの箱に入れた一体型の製品も発売されています。これはTVにつなぐだけですぐにTV会議ができるというように、機器の設置が楽になっています。

b.ディスクトッップ型
 パソコンにTV会議の機能を組み込んで使う形式です。パソコンを使うと単に映像や音声だけではなく「データ会議」という名前で呼ばれている通話している人で同じ画面を見たり操作することができます。データ会議を使用するとデザインの打ち合わせをTV会議で行いながら、同時に修正を両方の人ができます。
TV会議の機能を組み込む方法としてCODECの機能を持った基盤(ボード)をパソコンに入れて使う方法があり、従来はこれが主流でした。
最近ではパソコンの機能が上がってきたため、CODEC機能のいくつかをパソコンのソフトウェアで実現できるようになりました。CODECの映像をデジタル化するところはキャプチャ機能を持つ基盤(ボード)又はカメラで行い、データの圧縮やもとに戻す処理はパソコン自体が行うようになっています。(技術トピック参照−>)
 映像は扱いませんが、音声だけで会議をすることがパソコンでできます。最近、外国に安く電話がかけられるということで話題になっている「インターネット電話」です。通信費のことを考えなければ普通の電話と同じようですが、前述した音声の会議とデータ会議を同時に行えるという利点があります。

c.パーソナル型
 個人で使用する道具です。TV電話は普通の電話機にカメラと液晶のTVがついた形で手軽にTV会議が実現できます。
 また低価格のCODECも低価格セットボックスとして販売始めました。マイクとヘツドフォンと家庭用TVをつなぐとTV会議ができます。
 最近では、PHSや携帯電話を使って画面をおくる機械も出てきました。

2.TV電話の機械でも複数人数の参加した会議ができる(技術進歩の過渡期です)
 現在は技術の過渡期であり、装置や利用方法の区分が大きく変動しています。上で説明した、TV電話でも複数の人の会議もできます。たとえば、TV電話にテレビをつなげは数人で相手の様子をみることができます。また、リモコンで方向が変えられるようなカメラやきちんとしたマイクとスピーカーをつなげば、あっというまにルーム型のシステムに変身します。
 ただ価格の高い機械には、初めから高級なカメラやスピーカーがセットになっていたり、また画像や音声の品質がよかったりします。

3.インターネットーでの放送局とその受信は
工事中


[技術トピック]IntelのMMX技術<−内容が少し難しい
 画像や音声を圧縮したりもとにもどす処理は高度な数学的な計算によって行われます。この計算の速度が遅いと画像などがリアルタイムにつたわらなかったり、数分で1コマの映像しか送信できなかったりします。そこで従来のCODECではこれらの処理をより高速に行う専用の半導体(LSI)を組み込んでいました。この半導体のことをDSP(Data Signa lProcessor)と呼んでいます。
 これに対してIntel社が1995年にMMX技術を発表しました。これはパソコンの中心装置であるCPU(Intel InsideのPentiumコマーシャルで有名ですね)に従来DSPが持っていた画像や音声を処理するための機能を組み込むというものでした。これによりDSP無しでパソコンだけでTV会議等の実現ができるようになりました。ただ、動画がよく動いているように見える等の性能を求めた場合、処理速度の速いCPUを使用する必要があります。
 また、TV会議のようなシステムはDSPで処理するのがいいのか、CPU処理するのがいいのか賛否両論あります。
例えばディスクトップ型の場合DSPで処理してるシステムはパソコンの能力に関係なく一定の映像品質が保てます。これに対してCPUで処理している場合は、パソコンの能力が高ければ高品質の映像で通信できますが、逆の場合は、あまり画質がよくありません。